- 「もっと体を大きくして、パワーをつけたい」「身長もっと伸びてほしい」
ジュニアアスリートの食事量について、こんな相談をよく受けます。 - でも、いざ実践しようとすると必ずぶつかる壁があります。
「今の食事量って、成長するのに足りてるの?多すぎない?」 - 答えを先に言うと、これは感覚ではなく数値で判断すべき問題です。今回は、迷わないための管理方法を具体的に解説します。
- キッズアスリートの場合は減量するケースは多くはないと思いますが、競技によってはありますし、大人のダイエットにもそのまま適用できる考え方なのでぜひ参考にしてください。
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体を大きくするための大前提
身長を伸ばしたい、体重を増やしたい、いろんな目的や目標があると思いますが、
そのために一番重要な成長のための前提をお話します。
それは
オーバーカロリー(消費しているカロリーより摂取しているカロリーが多い状態)になっている
ということです。
これは、睡眠が足りていること、トレーニング量が足りていることよりももっと優先すべき事項です。
さらに言うとタンパク質はもちろん、ビタミン・ミネラルといったより細かい栄養の構成以上に大事なことです。
栄養摂取の考え方・基本・優先順位についてはこちらの記事に詳しく書いていますので参照してください。
いまさら聞けない栄養の超基本!3大栄養素、5大栄養素とは?
ちなみにこの考え方、減量/ダイエットするうえでは真逆になります
食事を減らす、糖質を制限する、食事の吸収を抑える、有酸素運動をする、筋トレする、、、
減量するうえでいろんな手段はありますが、摂取カロリーより消費カロリーが多い状態にならないと脂肪は落ちません。
参考:身長を伸ばしたい/体重をふやしたいのに、なぜ増量がうまくいかないか?
「ちゃんと食べさせているつもりなのに、身長も体重も伸びない」
——こう感じている保護者も多いと思います。
まずここで、身長と体重は分けて考える必要があります。
身長の伸び方には個人差があります。
遺伝的な要素もありますし、成長期特有の「伸びる時期・伸びにくい時期」という波もあります。
極端にいうとカロリーが足りていなくて、体重が落ちながらでも身長が伸びることもあります。
なので、身長だけを見て一喜一憂するのは難しい面があります。
一方で、体重が増えないのはほぼ間違いなく食事量の不足が原因です。
ここには個人差の余地があまりありません。
「え、うちの子はこんなに食べているのに」と感じるパパママもいると思います。
この場合、考えられる根本的な原因はいくつかあります。
- その子の代謝・活動量に対して、絶対量が足りていない:運動量が多い子や代謝が高い子は、保護者が思っている以上に食べる必要があります。「たくさん食べている」という感覚と、「その子にとって十分な量」はイコールではありません。
※加えて、消化器官の状態等によって、食事の量は確保できていても吸収されている量は足りていないというケースもあります。 - 実は思っているほどカロリーをとっていない:品数や見た目のボリュームで「食べている」と感じていても、実際のカロリーは想像より少ないケースがあります。特によくあるのが、「量は食べているつもりなのに、脂質が少なくカロリーが足りていなかった」というパターンです。脂質はエネルギー密度が高い栄養素なので、ここが少ないと、見た目のボリュームの割にカロリーが伸びません。
- 例えばですが、「ごはん130g+からあげ3個+牛乳200mL」のカロリーは約600kcal、130gというのは一般的な子供用の茶碗1杯分です。
- これに対して「コンビニのサラダチキン一袋+ごはん1合(330g)+麦茶」であれば大人でも食べきれるかわからないくらいの量ですが、同じく約600kcalです。
- タンパク質の量が確保できていて一見健康に良さそうな食事で、脂質が低いせいでカロリーが思ったよりとれていない、というのは本当によくある話です。
- 保護者の目が届かないところで、実はきちんと食べられていない:学校の給食を残している、部活後の補食を摂っていない、外食時に食べムラがあるなど、家庭内では把握しきれない場面で摂取量が落ちていることもあります。
つまり「増量がうまくいかない」ときは、まず食事量そのものを疑うのが基本です。
そして原因は「量」だけでなく「質」や「見えていない場面」にも潜んでいる、ということを押さえておくと、闇雲にごはんの量だけを増やして終わり、という対応を避けやすくなります。
キッズアスリートの食事量の難しさ
ここで子供ならではの難しさがあります。
まず大前提として、代謝は人それぞれです。
同じ身長・体重、同じ運動量に見える子どもでも、消費カロリーには個人差があります。
しかも子供は運動量・代謝量が大人と比べて大きいです。
「これくらい食べさせておけば大丈夫」という一般論は、目の前の子には当てはまらないことが普通にあります。
さらに厄介なのが、子どもの場合は摂取量そのものが把握しにくいという点です。
家での食事量はコントロールできても、
園や学校給食、部活の補食、おやつ、家族での外食・・・
大人以上に食事の場面が分散していて、保護者がすべてを正確に把握するのは簡単ではありません。
「なんとなく多め・少なめ」の感覚だけで進めると、
- 増量のつもりが実は横ばいだった
- 減量のつもりが実は増えていた
ということが平気で起こります。
だからこそ大人以上に、感覚ではなく数値に落としこみ、定量的に管理する必要があるのです。
【定量管理の方法】ステップ①:目標・ペースを定量的に立てる
最初にやるべきことは、目標の解像度を上げることです。
「なんとなく増量したい」「とにかく大きくなってほしい」ではなく、
- 何ヶ月で、何kg増やす(減らす)のか
- それを月単位に割ると、1ヶ月で何kgのペースになるのか
ここまで具体的に決めます。
例えば「3ヶ月で3kg増量」なら1ヶ月1kg、1週間あたり約250g程度のペースが目安になります。
このように期間と量を分解しておくと、後で「順調に進んでいるか」を毎週・毎月チェックできるようになります。
曖昧な目標のままだと、途中でうまくいっているかどうかの判断すらできません。
【定量管理の方法】ステップ②:理想は「食べたものを全部記録」
厳密にやるなら、食べたものをすべて記録し、カロリーとPFCバランス(たんぱく質・脂質・炭水化物のバランス)まで管理するのが理想です。
大人がボディメイクをするときはこの方法が基本になりますし、
これをきちんとやらないダイエットは失敗する確率が跳ね上がります。
ただし、子どもの場合はこれが現実的に難しいケースがほとんどです。
- 食事の記録を毎日つけ続けるのは大人でも挫折しやすい
- 子ども自身に記録させるのはさらにハードルが高い
- 給食や部活での間食など、保護者が把握しきれない食事がある
無理に完璧な記録を目指すと、続かずに終わってしまいます。
とはいえ、今は記録のハードルを下げてくれるツールもあります。
食事を撮影するだけでカロリーやPFCを自動で記録してくれる専用アプリや、チャッピー等のAIでも写真を送るだけで内容を読み取って記録してくれるでしょう。
毎食すべてを手入力するのは大変ですが、こうしたツールを使えば負担をかなり減らせます。
そして慣れてきたら、自分である程度カロリーを推計できるようになります。
【定量管理の方法】ステップ③:体重計の記録をつける
食べたものをすべて記録するのは大変かもしれません。
そこでおすすめしたいのが、食事の記録の代わりに体重の推移で判断する方法です。
やることはシンプルです。
毎日同じ時間に、同じ状況で体重計に乗る。体重の推移を記録する。
これを続けるだけです。
体重計はアナログよりデジタルタイプがおすすめです。
特にスマホアプリと連携できるタイプなら、測定するだけで自動的にグラフ化・記録され、日々の推移を後から見返しやすくなります。
手書きやメモでの記録は続けるほど面倒になりがちなので、この部分こそツールに任せてしまうと管理がぐっと楽になります。
注意点としては、体重は日々の水分量や食事のタイミングで数百g単位で上下するということです。
なので1日1日の結果に一喜一憂する必要はありません。
ただ条件を揃えて毎日記録を続けると、1〜2週間単位の「トレンド」がはっきり見えてきます。
- 増量目標なのに体重が横ばい・微減 → 食事量が不足しているサイン。量を増やす
- 減量目標なのに体重が増えている → オーバーカロリーのサイン。量を見直す
- 目標ペース通りに推移している → 今の量のままでOK
このように、食べた量そのものを細かく管理しなくても、結果である体重の変化を見れば、今の食事量が足りているか多すぎるかを判断できます。
これなら子どもにも保護者にも無理なく続けられます。
我が家で使っているスマホアプリと連携できる体重計はこちら。
連携できて信頼性のあるメーカーで一番安いものを選んでいます。
※ちなみに体重以外の、体脂肪率等の測定は子供の場合はあまりアテになりませんので、優先しなくて大丈夫です。
まとめ
- 身長を伸ばすにも食事量の確保が大前提。
体重とカロリーでオーバーカロリーを確認できれば食事面は十分 - 身長は個人差・遺伝・成長の波があるが、体重が増えないのはほぼ確実に食事量不足。「量」だけでなく「質(特に脂質)」や「見えていない場面での食べムラ」も疑う
- 代謝は人それぞれ、子どもの摂取量は把握しにくい → 感覚ではなく数値で判断する
- まず「何ヶ月で何kg」の目標を立て、月・週単位のペースに分解する
- 理想は食事記録+カロリー・PFC管理だが、子どもには現実的に難しい
- だからこそ、毎日同じ時間・同じ条件で体重を測定する。
トレンドで判断するのが最も続けやすく確実な方法
「足りてるか、多すぎるか」で迷ったら、まずは毎日同じ条件で体重計に乗ることから始めてみてください。数字が答えを教えてくれます。

