- パワーリフティング仲間、筋トレ仲間が当たり前のように飲んでいる「クレアチン」。
ありとあらゆるサプリの中でも「最も効果があったサプリ」という人も少なくないです。 - 実はこのサプリ、トレーニーに限らず、陸上競技、格闘技、野球やラグビー等のハードな瞬発種目の競技者も多く愛用している栄養素になります。
- もしかしたらキッズアスリートの保護者の方からすると、名前すら聞いたことがないかもしれません。
でも体を爆発的に動かすためにとっても重要な栄養素なので、その効果を知っておいて損はしません。 - 本記事ではそもそも筋肉はどうやって動いているのか、クレアチンという栄養素が効果があるのか、子供においてはどう取り入れるべきかを解説します。
本記事はPRを含みます。
そもそも筋肉を動かすためのエネルギーは?
まず少し専門的な話から入ります。
食事から糖質や脂質を取ってエネルギーにしますよね。
ただそれはあくまで過程の話で、最終的に直接筋肉を動かすエネルギー源ではありません。
筋肉を動かす、つまり体を動かすためのエネルギーは実は一つしかなく、
ATP(アデノシン三リン酸)というものです。
これがADP(アデノシン二リン酸)に分解される時にエネルギーが放出され、
そのエネルギーで筋肉が収縮し、関節が曲がり、体の運動になります。
これは全ての運動において、同様に言えることです。
これを聞くと、「運動する前にATPをたくさん貯めておけば速くなるのでは?」と思う方もいると思います。
ところが、筋肉の中に貯めておけるATPはごくわずかで、全力運動ならほんの数秒で使い切ってしまいます。そのため体は、運動しながらATPを作り直し続ける必要があります。
運動しながらATPを作り直す方法
ATPを作り直す仕組み(エネルギー供給のルート)は大きく3つあります。

なお、この3つは「10秒経ったら次に切り替わる」というスイッチ式ではなく、常に同時に動いていて、時間とともに主役が入れ替わっていくイメージです。
記載されている時間はあくまで目安としてご覧ください。
とはいえ表を見ていただければわかるとおり、
10秒以内くらいの瞬発競技(野球のピッチング、短距離走、サッカーやラグビーの全力疾走、、、等)では、
基本的に①ATP-CP系というルートでエネルギーを作り出すことになります。
ATP(アデノシン三リン酸)からADP(アデノシン二リン酸)になると「リン酸」が減るので、
そのリン酸を、クレアチンリン酸という物質から補う形で、再度ATPを生成する反応が筋肉の中で起きています。
クレアチンとは?
クレアチンとは、アミノ酸から作られる物質で、体内のクレアチンの約95%は筋肉に蓄えられています。
筋肉の中ではリン酸と結びついた「クレアチンリン酸」の形でも存在し、これが前述の①ATP-CP系の材料になります。
クレアチンの供給源は2つあります。
- 体内での合成:食事等のアミノ酸を材料に、肝臓や腎臓などで1日あたり約1gが作られる
- 食事からの摂取:主に肉や魚から普段の食事やサプリメントで摂取する。
つまり、クレアチンは体がもともと作っている、ごく身近な物質です。
そのうえで、食事やサプリで筋肉中の貯蔵量を増やすと、①のルートでATPを作り直す力が高まる、というのがクレアチンの考え方です。
クレアチンは本当に効果があるの?
大人を対象とした研究は非常に豊富で、国際スポーツ栄養学会(ISSN)は、クレアチンを「高強度運動のパフォーマンスを高めるうえで、最も効果的なサプリメントの一つ」と位置づけています。
研究から言えることを整理すると、次のとおりです。
- 試合の中でダッシュを何本も繰り返すような運動では、パフォーマンスが向上した研究報告が特に多い
- 1回きりの短いダッシュでも効果が見られた研究が多数。もちろん明確に見られなかったとする研究もあり、結果にはばらつきがある
- 50mのスイミングのタイムが2.4秒(4.5%)縮まった、40ヤード走のタイムが0.3秒(5.5%)縮まった、というような研究もあります。
- 練習・トレーニングにおいてもパフォーマンス(質と量)が高まるため、筋力・筋量・技術の向上にもつながりやすい
ただしあくまでこれらは大人を対象とした研究で、かつ個人差や競技差もあることも念頭に置きましょう。
ちなみに管理人自身においては、クレアチンを飲み始めたのがかなり前なので記憶が曖昧ですが、
飲む前と飲み始めた後では大きな体感があり、ベンチプレスの回数が1週間で2回くらい伸びました。
(当時80kgくらいを7回できたのが、クレアチンをサプリメントで摂り始めて翌週には9回できた記憶です。)
クレアチンはどれくらい摂取すればいいの?
上記でも説明したとおり、一般的な成人男性の場合、クレアチンは食事から摂取しなくても1日1gくらいは体内で合成されます。
しかし瞬発系競技のアスリートにおいては筋肉量も多く、体重によりますが
1日で3~5gが必要量と言われています。
足りない分(2g~4g)は食事から摂取する必要があります。
クレアチンは動物の筋肉、つまり肉と魚に多く含まれます。
以下、1kgあたりの主なクレアチンをを含む食品とその含有量です。

※豚肉・牛肉は脂身の部分には含まれないことに注意しましょう。
例えば豚バラのように脂身の多い肉であれば、仮に1kg食べても5gに満たないです。
ポイントとしては牛・豚・魚で大きな差はなく、ニシンだけが突出して多いこと。そして、卵・牛乳・納豆などの大豆製品、プロテインパウダーには、タンパク質は豊富でもクレアチンはほとんど含まれないことです。「タンパク質を摂っていればOK」ではない、というのは意外と知られていない点です。
ニシンはあまり食卓に並ばないとして、
クレアチンが比較的多い牛肉で考えると、2g~4gを摂取するためには、
1日400g~800gくらいを食べる必要があります。
この量の牛肉を毎日食べるのって大変ですよね?
なので多くの競技者は、食事の摂取と並行して、サプリメントの形で直接摂取しています。
クレアチンのサプリメントって何をどう飲んでるの?
楽天やAmazonで気軽に買えます。
いろんな種類がありますが選ぶときは、「クレアチンモノハイドレート」と表記されたものを選ぶのがおすすめです。
最も研究が多く、価格も手ごろです。
商品ごとの品質の差もあまりありませんので、コスパのいいものを選びましょう。
1kgで4000円程度。飲む量も多くないので半年以上持ちます。
飲み方としては食事で摂取できない3g~5gを飲料に混ぜて飲みます。
私の場合は毎朝お茶を飲むときに溶かしたり、ジムに持って行くドリンクに溶かしています。
糖質と一緒に摂ったほうが効果が高い、と言われることもありますが、
飲み方を工夫するより、毎日欠かさず飲むことの方が重要性が高いと考えています。
サプリメントの安全性について
クレアチンは長年にわたって多くの研究が行われてきたサプリメントで、健康な大人が推奨量を守って使う限り、重大な副作用はほとんど報告されていません。
「腎臓に悪い」という話を聞くこともありますが、健康な人を対象にした研究でも推奨量の範囲で腎機能への悪影響は確認されていません。
一方で、次の点は知っておきましょう。
- 一度に大量に摂る(10g以上)と、お腹がゆるくなることがある(数回に分ければ防げる)
- 筋肉に水分を引き込むため、一時的に体重が1〜2kg増えることがある(脂肪が増えるわけではない)
- 腎臓や肝臓に持病がある方は使用を控え、医師に相談すること
子どもはどうすればいい?
ここが保護者の方にとって一番大事なところです。
結論:子どもは「肉・魚をしっかり食べる」が基本
小学生以下の子どもに対するクレアチンサプリの効果・安全性は、十分に研究されていません。
中高生のアスリートを対象とした研究では、副作用なくパフォーマンスが改善したという報告もありますが、
- 米国小児科学会(AAP)は、18歳未満のスポーツ目的でのパフォーマンス向上系サプリメントの使用を推奨していない
- 国際スポーツ栄養学会(ISSN)も、若年アスリートへの使用は「食事を整えたうえで、保護者・専門家の管理のもと、推奨量の範囲で」という条件付きの立場
というのが現状です。
特に小学生以下では「安全とも危険とも言い切れるだけのデータがない」ため、私はサプリメントではなく、食事から自然に摂ることをおすすめします。
「子どもにしては少し多めかな?」くらいの肉・魚を積極的に食べよう!
子どもは同じ体重の大人と比べて筋肉量が少ないため、必要なクレアチンの量も少なめになります。
当然体内で生成するクレアチンも少なくなりますので、食事から摂取するおおまかなクレアチン量の目安は次のとおりです。
| 体重 | 1日の肉・魚の目安 | クレアチン量の目安 |
|---|---|---|
| 20kg | 約200g | 約1g |
| 40kg | 約400g | 約2g |
3食に分けると、1食あたり70〜130gほど。
「子どもにしてはちょっと多いかな?」くらいの肉や魚を毎食しっかり食べられれば、体内での合成分と合わせて十分な量になると考えられます。
しかも、肉200gにはタンパク質がおよそ40g含まれます。
これは小学生の1日のタンパク質の推奨量をほぼまかなえる量で、成長と瞬発力の両方を一度にサポートできるわけです。
※卵・牛乳・乳製品・大豆製品は、成長期に欠かせない非常に優秀な栄養源です。
クレアチンが含まれないからといって減らす必要はありません。肉・魚と組み合わせてバランスよく摂りましょう。
(参考)とはいえ、どうしても肉・魚が食べられない子の場合
とはいえ食が細い、肉や魚が苦手というお子さんもいると思います。
個人的な見解としては、上記のとおり比較的安全性の高いサプリメントなので、
子どもの研究で明確に安全性が証明された研究がないにしても
ほんの少量のサプリメントを活用するのは、ナシではないと思います。
※あくまで研究がなされていないだけで、危険性が指摘されているわけではないため
ちなみに我が家の例でいうと、
子どもが4歳の頃から、0.5~1g程度の少量のクレアチンを飲み物に混ぜていますが、
特段、体への悪影響は見られていません。
(かといって、明確に飲んで効果があったのか?と聞かれると答えにくいですが、、、)
もちろん自己責任です。
飲む場合は、体の大きさに合わせて適正量は絶対守りましょう。
多くても0.5~1g/日です。
少しでも異変を感じたら飲むのはやめ、小児科医や管理栄養士等に相談するのが確実です。
まとめ
- 筋肉を動かすエネルギーはATPだけ。最初の約10秒はクレアチンが、その後は糖質がATPの再合成を支える
- クレアチンは大人の瞬発系競技者の間では、効果・安全性ともに研究が豊富なサプリメント
- クレアチンは肉と魚に含まれる。卵・牛乳・大豆・プロテインにはほぼ含まれない
- 子どもはサプリではなく、肉・魚をしっかり食べるのが基本
- レース前日〜当日朝は消化のよい炭水化物を中心に
結局のところ、一番の土台は毎日の練習と、毎日の食事です。
「今日はお肉とお魚、しっかり食べようね」の一言が、0.1秒を縮める小さな後押しになるかもしれません。
