- 「カレーに刻んで入れても、ピーマンだけ見つけて出してくる。なんでそこだけ目がいいの?笑」「保育園・学校では食べてるらしいのに、家では絶対食べない」「栄養バランスの本を読むほど不安になる」
- キッズアスリートの保護者が一度は通る道。身長が伸びてほしくて必死で栄養バランスを考えてるのに子供が食べてくれない。。。
- そんなパパママの焦りに対して、栄養摂取の考え方と“精神論に頼らない”具体的な対策をまとめます。
- 先に結論から言ってしまいますが、きちんと対策がとれているなら実は野菜は摂らなくても大丈夫です。
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キッズアスリートが野菜を食べる3つの目的
「野菜を食べさせたい」という気持ち、「食べないといけない」という焦りの中身には、
実は3つの異なる目的が混ざっています。
まずはここを分けて考えないと、対策は立てられません。
1.栄養面
皆さん、わかってることだと思いますが、
ビタミン・ミネラル・食物繊維といった体づくりやコンディショニングに必要な栄養素を摂取すること。
これが一番の目的ですし、本ブログ・本記事ではここを中心的に解説します。
2.食育
好き嫌いなく何でも食べられること自体に価値を置く考え方です。
給食や合宿・遠征先での食事、スポーツキッズでいえばチームメイトと同じものを楽しく食べられるか、といった社会的な側面が関わってきます。
これはスポーツキッズに限った話ではないですが、将来の食習慣の改善、野菜を含む食品に対する知識、食への興味みたいなものも親なら当然持っていてほしいと願うもの。
3.苦手克服・成功体験
「食べられなかったものが食べられるようになった」という成功体験や、
それを褒められる経験そのものに教育的な価値があるという考え方です。
これはスポーツに限らずですが、特にスポーツをやっているキッズのパパママは
スポーツで結果を出すための「粘り強さ」「自己肯定感」「努力で乗り越えた経験」の土台作りと結びつけて語られることもあります。
栄養面だけを見れば、実は代替手段は多くあります。
一方で2・3の目的は、栄養の話とは切り離して考えるべきテーマです。
この記事では主に1の栄養面にフォーカスして説明します。
野菜で摂取すべき栄養とは?
野菜が持つ栄養価を大きく分けると、
「ビタミン」「食物繊維」「フィトケミカル」の3つになります。
※フィトケミカルというのは植物が作る栄養素以外の機能性成分です。
カロテンやリコピンといったカロテノイド(色素)、ポリフェノールやアリシンといった味や風味に影響する成分があります。
もし子供が野菜を食べられるのであれば、これらは野菜からまとめて摂るのが本来望ましい形です。
野菜は、この3つを一度に摂れる栄養のパッケージだからです。
問題は「どうしても食べられない場合にどうするか」です。
この3つのうち実際にどこまでが野菜でしか摂れないのか、代替できるとしたら何で代替できるのかを、食品成分データをもとに具体的に見ていきます。
本当に野菜でしか摂れない栄養は?
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに、
主要なビタミン・ミネラルがどの食品群に多く含まれるかを整理すると、実は多くのビタミンは肉・魚・卵でカバーできることが分かります。
野菜って何となく体に良くてビタミンが豊富なイメージがありますが、
実は肉や魚、乳製品のほうが多量に含まれているケースも多いです。
まとめた図と詳細を説明していきます。

ビタミンA:卵黄・レバー・チーズなどでカバー
ビタミンAというと「緑黄色野菜」のイメージが強いですが、
これは正確には野菜由来のβ-カロテン(体内で必要な分だけビタミンAに変換される「プロビタミンA」)の話です。
動物性食品由来のレチノールとしては、卵黄・うなぎ・チーズ・レバーなどに豊富に含まれており、こちらの方が吸収効率も高いとされています。
卵焼きやチーズ、レバーが好きな子であれば、野菜からのビタミンAにこだわる必要はありません。
ビタミンB群:豚肉・レバー・卵でカバー
疲労回復に関わるビタミンB1は豚肉に豊富で、ビタミンB2やナイアシンなども肉・魚・卵といった動物性食品に広く含まれています。
ことカラダづくりにおいては、
「野菜を食べないとビタミンB群が不足する」というより、動物性たんぱく質をきちんと摂れているかどうかの方が重要です。
その流れで肉魚からビタミンB群が摂れていれば十分です。
「造血のビタミン」と呼ばれる葉酸もビタミンB群の一種(ビタミンB9)です。
葉酸というとほうれん草などの野菜のイメージがありますが、実は含有量トップクラスなのはレバーで、
卵黄・焼きのり・納豆・いくらなどにもまとまった量が含まれています。
野菜が苦手でも、卵・海苔・納豆・魚卵のいずれかが食べられれば、
葉酸不足を過度に心配する必要はありません。
ビタミンD・E:鮭・卵・魚介類でカバー
ビタミンDは鮭やきのこ類、卵に多く含まれ、骨の成長に関わる重要な栄養素です。
ちなみに日光(紫外線)を浴びれば体内で生成できるので、
校庭や園庭、公園で遊ぶ機会の多い子供にとっては食品から摂る必要性すらないケースもあります。
※紫外線の多い夏場の正午なら、10分ほど屋外で日光を浴びるだけで一日の必要量が生成できます。
ビタミンEは魚介類やナッツ、植物油に含まれる抗酸化ビタミンで、
こちらも野菜が唯一の摂取源というわけではありません。
魚やナッツ類が好きな子なら十分に摂取できます。
ビタミンCは要注意
ビタミン類のなかではここが唯一のポイントです。
肉・魚・卵にはビタミンCがほとんど含まれていません。
特に加熱する場合は全く摂取できないと言ってもいいでしょう。
ビタミンCはコラーゲン生成や抗酸化作用、鉄の吸収サポートに関わる栄養素で、
これを補うならフルーツが現実的な選択肢になります。
いちご、キウイ、みかん、柿などはビタミンCが豊富で、
野菜が苦手でもフルーツなら食べられる子は多いはずです。
フルーツってスーパーだと意外と高くて敬遠しちゃいがちですが、
みかん、オレンジ、柿等はシーズンにもよりますが、
大袋で買えば1個100円以下くらいで買えます。
これくらいなら毎朝の習慣にもできる金額感かなと思います。
ミネラル(鉄・亜鉛・カルシウム・マグネシウムなど):肉・魚・乳製品でカバー
「野菜を食べないとミネラルが不足するのでは」という不安もよく聞きますが、これも実際は動物性食品や乳製品・ナッツ類でかなりカバーできます。
- 鉄:赤身肉・レバーに含まれるヘム鉄は、野菜の非ヘム鉄より吸収率が高く、むしろ肉の方が有利
- 亜鉛:赤身肉や魚介類に豊富で、野菜にはほとんど含まれない
- カルシウム:乳製品・しらす等の小魚・大豆製品・ナッツが主要な摂取源
- マグネシウム:ナッツ類・魚介類・未精製穀物・海藻に広く含まれ、野菜だけの特権ではない
つまり、鉄・亜鉛はむしろ肉・魚の方が有利、カルシウム・マグネシウムも乳製品やナッツで十分にカバーできる、というのが正確なところです。
フィトケミカルや食物繊維:カラダを大きくする目的とは別軸
フィトケミカル(カロテンやポリフェノール)、食物繊維も
フルーツからは摂取できますが、動物系食品にはほとんど含まれていません。
野菜・果物・きのこ・海藻・全粒穀物といった植物性食品が主な摂取源です。
※アスタキサンチンといった一部のフィトケミカルは鮭から摂取できたりします。
ただしこれらの栄養は、
筋肉や骨格を成長させる「体を大きくする」という目的そのものには直接寄与しない栄養素です。
役割としては腸内環境を整える、血糖値の急上昇を抑える、抗酸化作用や老化予防といった、いわばコンディショニング寄りの働きが中心です。
もちろん摂取できるに越したことはありませんが、
以下の記事でも書いた通り、カラダを大きくしたいキッズアスリートが摂取すべき栄養の優先度としては
「①カロリーの総量が足りていること」、「②タンパク質が足りていること」が
最も高い二つです。
キッズアスリートの栄養の優先順位に関する詳細は別記事にも記載:
いまさら聞けない栄養の超基本!3大栄養素、5大栄養素とは?
ので、食物繊維やフィトケミカルが摂取できていないからと言って焦る必要はありません。
一番やっていけないのは、野菜を摂取しようと一生懸命になりすぎて、
食事が嫌いになってしまう、肉魚や炭水化物の必要量が摂れなくなる、ということがないようにしましょう。
野菜が食べられない場合に”精神論に頼らない”具体的な2つの対策
カレーに混ぜる、細かく刻む、味付けを工夫する、といった調理の工夫はすでに多くの家庭で実践されていると思います。
それでもうまくいかない場合、ここまでで説明した栄養摂取の考え方に沿って、
「頑張って克服させる」「褒めて食べさせる」という精神論に頼らない対策を2つ紹介します。
対策①:代替食品で栄養を確保する
先に整理した通り、ビタミンA・B群・D・Eは肉・魚・卵で、ビタミンCはフルーツで代替可能です。
「野菜を食べさせること」自体をゴールにせず、
「必要な栄養素を別ルートで確保できているか」を基準にすると、食卓のストレスはかなり減ります。
- ビタミンA・B群(葉酸含む)・D・E
卵、鮭、豚肉、レバー、チーズ、海苔、納豆など
特に卵はビタミンCを除く、様々なビタミンを含み、たんぱく源・脂質源としても超優秀な食品です。 - ビタミンC
いちご、キウイ、みかんなどのフルーツ - 鉄・亜鉛・カルシウム・マグネシウム
赤身肉、魚介、乳製品、ナッツ類 - 食物繊維(今回の記事で対象外と言いましたが念のため)
我が家では白米にもち麦を混ぜています。
白米との配分にもよりますが、あまり違和感なく食べられて、玄米よりも食物繊維が摂取できます。
一袋が割とすぐなくなるので、我が家ではコストコで割引時に大量購入することもあります。
対策②:サプリメントを活用する
代替食品でも難しい場合はは、一部サプリメントで補うという選択肢もあります。
例えば卵が好きなら、ビタミンCだけ摂取するでもOKです!
- ビタミン全般:おやつ感覚で食べられるグミです。結構種類多く出ています。
- ビタミンC:一番コスパがいいのはビタミンC(アスコルビン酸)の粉末のサプリです。
超少量、一日に耳かき1~2杯(50㎎くらい)でOKです。
味にもあまり影響ありませんので、飲み物やヨーグルトに混ぜましょう。
聞きなれない名前で抵抗があるかもしれませんが、
加工食品の栄養成分表示を見ると酸化防止剤として添加されていて、実は自然と摂取していたりします。
- 食物繊維:イヌリンや難消化性デキストリンといった粉末のサプリがあります。
こちらも名前はあまり聞きなれないかもしれませんが、特茶やダイエットコーラ等にも入っていて、大人だと頻繁に摂取している人もいるかも。
こちらも味に影響はほとんどないので、飲み物やスープ等に溶かして摂取できます。
子どもであれば2~3g、大人であれば5gくらいを一日に摂取できると、一日の摂取量の大半をカバーできます。
厳密にいうと、食物繊維は水溶性/不溶性をバランスよく摂る必要がありますが、
そもそも野菜で摂れない場合の底上げなので、まずは摂取することを優先に考えてよいでしょう。
まとめ
- 野菜を食べる目的は「栄養」「食育」「成功体験」の3つに分けて考えると整理しやすい
- 「カラダを大きくする」という目的で栄養面を考えると、野菜でしか摂れない栄養はほぼないと考えてよい
- どうしても野菜を食べない場合は、「食べなくていい」と割り切って代替食品を活用する、それでも難しければサプリメントで補うという選択肢がある
- 「食べさせること」自体をゴールにせず、「必要な栄養を確保できているか」を基準にすると、親子ともにストレスが減る
余談で、大人の栄養について
ここまで話した考えた方は栄養に関する考え方なので、大人でも同様です。
特に筋肉をつけたい、増量したい方にとっては、野菜を摂取してお腹がいっぱいになって必要なカロリー・タンパク質を摂取できなかったら本末転倒です。
(逆にダイエットの場合は、野菜でカサ増しして満足感を出すやり方もあります。)
某有名ボディビルダー/ボディメイク系Youtuberの方のなかにも、野菜否定派の方がいらっしゃいます。
何より近ごろ野菜高いですからね。。。
もちろんいろんな食品を摂取することは大事。
ただそれだけだと疲れちゃうのは大人も同じなので、
カラダにとって何が必要かは栄養ベースで考えて、必要に応じて他の食品やサプリを活用するのも一つの手です。

